日本人は45才から全身の抵抗力が下がり、この頃からガンにより死亡率、そして、歯周病にかかる割合が増加してゆきます。
45才、まさにこの年齢からお口と全身の予防を始めることで最大の効果があがるのです!
歯科における2大疾患といえば、「むし歯」と「歯周病」。
これは現在の歯科医療においては、感染症であるという結論になっています。
医科において一般的な感染症は風邪です。
一般的な風邪であれば医師の指示に従ってきちんと薬を飲めば、ほとんどの場合、治ってしまいます。
現在の歯周病治療は外科的な処置が主流です。
しかし、それは歯科医師が特殊な技術を持ち、患者様も歯磨きがうまくできるという厳しい条件下でないと、良い結果がうまれないのです。
歯が抜けてしまう一番の原因、それはむし歯ではなく歯周病なのです。日本人の約50%が歯周病で歯を失っています。
歯周病は、文字通り歯の周りの病気。歯槽膿漏(しそうのうろう)と言ったほうがピンと来る方も多いかもしれません。
歯周病は、酸素を嫌う細菌(歯周病菌やカンジタ・カビ類)が、歯と歯ぐきの間深くにすみついて、その毒素によって歯の周りの骨を溶かしていってしまいます。その結果、歯ぐきがはれたり出血したり、最悪の場合には歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病は、最近では生活習慣病の1つとされ、糖尿病、心臓病、早産、肺炎などの原因にもなると言われています。
歯周病の治療は歯科医院での歯磨き指導や歯石取りなどのプラークコントロールが基本ですが、この基本的な治療をしてもなかなか歯周病が治らない方向けに研究された治療方法、それが「歯周内科治療」なのです。
カビが肺に入れば肺炎になるといわれています。
歯ぐきの出血によって菌が血管に入り、心臓病になるといわれています。
歯周病の人は通常の2~3倍心臓病になりやすいとも言われています。
その他、食道癌、糖尿病、早産、高血圧などにも関与しているといわれています。
原因である菌やカビを取り除くことが必要です。
従来の歯周病の治療は、菌やカビを取り除くために歯ブラシで磨く
という、どちらかというと外科的な治療が主体でした。
治療期間が長くなりがちで、アメリカの歯周病専門医でも約20%は治すのが難しいといわれていました。
昔は、肺結核も胃潰瘍も外科治療が主体でした。
でも、現在はお薬で治す内科治療が主体で、ほとんどがお薬で治療します。
人からうつされる風邪も菌が原因ですから、お薬を飲んで治しますよね!
位相差顕微鏡(いそうさけんびきょう)という、生きたままの細胞を観察できる顕微鏡でお口の中の細菌の種類や数を検査して、その細菌に合った薬を服用して体の内側から、そしてカビを取り去る歯磨き粉で体の外側から、さらに歯石取りを行って、細菌とカビを除去していきます。
これらの治療で90%以上の患者さんに効果が期待できます。
歯周内科治療は、歯周病に効く薬を内服するのがポイントなのですが、もっと大きなポイントは、位相差顕微鏡でお口の中にいる細菌を確認することです。
歯周病菌が多いのか、あるいはカビが多いのか、もしくはどちらもほとんどいないのか。
細菌の種類と数が分からないと薬の選択ができないので、位相差顕微鏡できちんと確認することがポイントです。
台所や洗面台の排水口のヌルヌル
窓のサッシの結露でできるカビ
お風呂場の壁のヌルヌル
これらのカビは、ただブラシでこするだけではなかなかとれません。
それに、放っておくとすぐに生えてきてしまいます。
そのためカビの掃除は
この二つがとても大切。口の中のカビも同じです!
口の中のカビと細菌を除菌して、健康な歯と歯ぐきを手に入れましょう!
歯周内科治療で歯周病が改善したら、定期的なメインテナンスに移ります。歯周病を起す細菌に再感染してないか、また、お口の中が再感染しやすい環境になっていないか、歯科医院での顕微鏡を用いた定期検診を受けるようにしましょう。
定期的に検査と歯科医院でのクリーニング(PMTC)を行なえば、進行してしまう前に細菌やカビ菌の数を減らして歯周病を改善することができます。
もちろん、毎日きちんと歯磨きをしてプラーク(歯垢)を除去してくださいね。
人は、生まれたときには口の中に歯周病菌は存在しません。
でも、離乳食をあげる時の箸やスプーンの使い回し、キスやくしゃみ、回し飲みなどが原因で歯周病菌に感染することがあります。
家族間で歯周病菌をうつしあっている状態かもしれません。
家族みんなでお口のケアをしましょう。
入れ歯(義歯)にもカビが付きます。入れ歯の清掃も丁寧に行いましょう!
目に見えないカビには、入れ歯洗浄剤が効果的です。
タバコは歯周病になりやすく、また治りにくい事がわかっています。
体の健康のためにもお口の健康のためにも、禁煙してみませんか?
歯周内科治療で、健康的な生活を送りましょう。
カビが根を下ろし、細菌も集まってきて歯ぐきが炎症を起こします。
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炎症を起こした歯ぐきの裏側にカビや細菌がどんどんたまっていき、奥でさらに炎症を起こします。
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炎症によって歯を支える骨が少しずつ溶けていきます。
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さらに奥で炎症が広がります。骨を溶かす範囲も広がっていきます。菌やカビもどんどん増殖します。
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骨はさらに溶け、さらに多くの菌が奥で増殖し、周りの歯にも影響が出始めます。歯を支える骨がほとんどなくなってしまう。
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カビは根を下ろすときに酸を出しますので、歯が溶けむし歯になるリスクもあります。 歯根の部分にもにも根を下ろすので、そのことによって知覚過敏がおきることも分かってきています。 歯周病菌は、歯ぐきの出血した部分の血管から体内に侵入してきますので体に害が出てきます。 |