2年前のちょうど今頃に、私は中咽頭癌でコロナ禍の中2ヶ月間入院闘病しておりました。
生検後、がんだと言うことが分かり、放射線と抗がん剤治療を行いました。
入院中の抗がん剤、放射線治療による副作用、そしてその対策は2年前の夏の「はおっこブログ」をご覧頂ければ幸いです。
特に口の中に出てくる放射線・抗がん剤治療直後の副作用→口内炎、口の中の痛み、のどの痛み、嚥下痛、カンジダ症、知覚過敏等は、がんを患った歯科医師として気合いを入れて予防対策しておりますので、ぜひ、2年前の夏のはおっこブログを見て頂き、もし周りにがん治療でお口の中で困っている方がいたらお伝え下さい。
ただ、抗がん剤と放射線治療のその後の副作用に関しましても意外と長く、じわりじわりと実生活にも影響を与えてきます。
意外にも、闘病中の抗がん剤副作用対策はあるものの、その後に遅れて出てくる晩期副作用対策については人それぞれ個人差があるせいなのか、なかなかその対策情報が有りません。
私も、がん闘病から2年経った今も徐々に良くはなっているもの唾液の出が50%、味覚の戻りが50%と晩期副作用に悩まされております。
唾液の減少は、放射線治療による唾液の出どころの唾液腺が萎縮してしまったからだと思われます。
味覚がなかなか戻ってこないのは、これも舌の上にある味覚センサーの味蕾が放射線、抗がん剤の副作用で減ってしまったことと、唾液が出なくなったことにより食べ物の味が広がりにくくなっているからかもしれません。
特に、甘さを感じにくくなりました。不思議と出汁や蜂蜜の甘みは大丈夫なのですが、白い砂糖(スクロース)の甘さが感じにくいのです。
ですので、マックのテリヤキバーガーがただしょっぱいだけの味になってしまいます。
この、過去の記憶の味とがん治療後の味にずれがあることが、結構、脳と満足感のストレスになってしまいます。
対策の1つとしては、以前の味とずれが大きい食べ物は、匂いを嗅いでから食べて、匂いと一緒に味を「上書き」することをお勧めします。「これは、こういう新しい味なのだ!」と改めて脳に再インプットするわけです。
また、アイスクリームも乳製品系のアイスは甘みを感じにくいのですが、ガリガリ君などの氷系のアイスは比較的味が以前と同じように感じることができます。
息子には、甘いものが感じにくくなったのは「ミュータンス菌(むし歯菌)の呪いだ。」と言われております(笑)
前向きに考えれば、白い砂糖の甘みが感じづらければ、糖尿病になるリスクは少し下がるかしら(うちは糖尿病家系なもので💦)とプラスに考えるようにしております。
抗がん剤の副作用やドライマウスに夜唾液の減少で、甘み等が感じづらい方は、天然の甘み、ハチミツ、黒糖、てんさい糖、出汁の甘みなどで補って頂けると良いかと思います。
私は、白い砂糖の甘みは感じづらくなりましたが、上記にあるような天然の甘み、出汁の味は比較的以前の味わいのままなので、Amazonで少しお高い出汁パックなどを使って天然の甘みを味わっております。
また、食事では、汁物、麺類、あんかけ系などは、口の中が乾燥気味でも味を感じやすいのでお勧めです。
飲み物では、カフェインレスの方が、唾液の出を妨げないのでコーヒーもお茶もカフェインレスのものを選んでみて下さい。
私のように、2~3年後に出てくるがん治療の晩期副作用に困っている人のために、私の対処療法がお役に立てればと思いブログに書かせて頂きました。
参考になりましたら幸いです。
そして何よりも、歯が痛くなってからではなく、痛くならないように歯医者さんにメンテナンスで通うことが自分の「健康」と「健口」を守る上でとても大切なことです。