今日は、歯磨きの時のグッズの使用順番についてお話ししたいと思います。
当院では、毎日の歯磨きの際に歯ブラシでのブラッシングだけでなく「デンタルフロス(糸ようじ)」や歯ぐきが下がった奥歯などには、「歯間ブラシ」を毎日の歯磨きの習慣に取り入れてもらえるよう患者さんへ歯磨き指導を行っています。
そんなとき、患者様からどっちからやった方がいいの?
と聞かれることがあります。
答えは・・・「フロス・歯間ブラシが先」の方がおすすめです。
なぜかとういうと、
①フロス・歯間ブラシ→②歯ブラシ
の方が歯垢の除去率が良くなるからです。
米国歯周病学会誌で
「フロスは歯磨きの前に行うことが最も効果的に歯垢を除去する理想的な順序である」という研究結果が報告されています。
また、歯と歯の間に詰まった汚れをフロスや歯間ブラシで取り除いてから磨くことで、歯ブラシにつけた歯磨き粉の有効成分(殺菌成分やフッ素など)を歯間部にも行き渡らせることができます。
そして、ついフロスを忘れてしまったり明日でいいか…となってしまう方も、先にフロスから始めれば、忘れてしまうリスクも減ると思います。
歯ブラシのみでの歯磨きでは歯垢除去率は60%です。
しかし、フロスや歯間ブラシを併用すれば、80%まで汚れを落とすことができます。
また、虫歯の好発部分は歯と歯の間です。
もう少し詳しく説明すると、歯と歯が接するコンタクトポイントの1mm下が虫歯の発生しやすいプラークがたまりやすい場所です。
そこにアプローチできるのはフロスです!
フロスを使用することで虫歯の予防効果が高まります。
また、虫歯の早期発見につながります。
歯と歯の間の虫歯を自分の目で発見するのは難しいです。初期の段階だと症状もありません。
しかし、フロスを使用していると、フロスが引っかかる、切れてしまうことがあります。
その場合、その歯と歯の間に、虫歯ができている可能性や、詰め物が合っていない可能性があります。
もし、フロスが引っかかるところがあれば、早めに歯科医院でチェックされることをお勧めします。
現在、日本でのフロス使用率は2割だそうです。
しかし、当院の患者さんの半数以上の方は歯磨きの際にフロスや歯間ブラシを使用されています。
フロスや歯間ブラシの使用は、虫歯・歯周病・口臭の予防に効果的です。
なるべく多くの方に、歯磨きの習慣アイテムの一つに取り入れてもらえるよう今後も取り組んでいきたいと思います。
フロスや歯間ブラシにも種類やサイズ、使い方のコツなどもあります。
分からないことや聞きたいことがあればいつでもお気軽にご相談ください。