歯周病の状態と治療法

歯周病 (歯槽膿漏) とは歯を支える骨(歯槽骨)を溶かす病気です。歯周病が進行するにつれ図のように歯槽骨が溶けてきます。

他にも歯ぐきから血が出る、膿が出る、口臭がひどくなる、歯がぐらぐらする、などの症状があらわれます。
重度の歯周病になると歯を支えられなくなり、自然に抜けてしまったり、治療が難しく抜くことになる場合もあります。

●歯周病の原因と検
歯周病の原因は、歯と歯ぐきの境目にたまったプ ラーク (歯垢) の中の細菌です。
歯周病の進行具合はレントゲンで歯槽骨の状態を確認したり、 歯周ポケット (歯と歯ぐきの問に出来る溝) の深さを目
盛りのついた器具で測定すること 調べます。

歯周ポケットの深さは…
●健康な状態で 3 mm未満
●軽度で 3mm~5mm             
●中等度で 5mm~7mm
●重度で 7mm~
と徐々に深くなります。 


●歯周病治療に基本的な流れ

①歯周ポケットの深さを測定。
        ↓
②歯に付着した歯石(細菌) を取り除く。
        ↓ 
③歯周ポケットの深さを測定、改善具合を確認。
        ↓
④改善が見られない部分はさらに深い部分の歯石を取り除く 。
  改善するまで③④を繰り返す。

※状態によっては外科的な治療を行う場合も 。

●歯周病は根気強く治しましょう!

歯周病は長い期間を経て進行したものなので、治療も根気が必要です。治療途中で
やめてしまって、再度ご来院された時は症状が悪化しているといったことも少なくあり
ません。歯周病の治療は歯科医院での治療だけでなく、患者様による正しい歯磨きや
生活習慣の改善など歯科医院スタッフと患者様が協力し合うことが重要です。
いちど、羽尾歯科医院 春日山に歯周病のチェックにお越しください。
     

忙しくても年1回はお口のチェックを!

 よく噛めることは、脳の活性化、不満防止、胃腸の吸収を助ける、若々しい表情を保つ、など様々な良い効果をもたらします。
 寝たきりの方がしっかり噛んで食べられるお口の環境になったことで、歩けるようになったという報告もあります。
 よく噛めるお口の環境を作り維持するには、健診がかかせません。
 お口も定期的な検診で様々な疾患を早期発見し対処することは、歯を長持ちさせ、健康で元気な体作りや将来の医療費抑制にもつながります。



 「健診は大事とわかっていても、忙しくてなかなかいけない。」という方も多いと思いますが、年1回はお口のチェックを受けるよう心がけましょう。

気になっていませんか? お口のニオイ (・_・?)

お口の臭いって気になりますよね。
自分では気がつかないうちに相手に嫌な思いをさせていたり。でも、なかなか相手も指摘してくれません。

ニンニク料理など食べ物による臭いは一時的な物ですが、お□の中の疾患が原因の場合は疾患を改善しない限り臭いはなくなりません。

     

口臭の嫌な匂いを発する原因物質はVSC (揮発性硫黄化合物)と言われるもので、このVSCをお口の中でもっとも発生させる場所は舌の上です。
舌上に付着している白っぽいもの、舌苔 (ぜったい)をお口の中に生息している嫌気性菌が代謝することによってVSCが作られます。舌苔は細菌や口の中からはがれ落ちた粘膜細胞、食べかすなどのかたまりで健康な状態でもうっすらとついています。
舌ブラシなどで舌苔を除去することが口臭対策には有効ですが力が強すぎたり、必要以上に行うと舌の粘膜を傷つけるおそれがあります。

                      ●口臭の種類●  
      

歯科海外研修にスイスに行ってきました (^ー^)

羽尾歯科医院 春日山でみなさまから熱い支持を得ておりますセレックACによるセラミック治療。

セラミックの自然な白い歯を コンピューターでより精密により審美的に作ります。

美意識の高い現代のニーズに応えるべくスイスで生まれたセレックACは、世界中の歯科医が採用している先進のセラミック審美治療です。

セレックシステムは、天然歯に 限りなく近い審美的な色・質感を持つ新セラミックブロックを、高精度3Dコンピュータで設計・加工いたします。

そのセレックシステムを開発したスイスへこのたび私は海外研修に行って参りましたので、ご報告いたします。

この度、日頃より、セレック臨床を指導してくださる東京医科歯科大学の風間先生のご好意によりセレック(CEREC)デジタルトリートメントの原点であるスイス チューリッヒ(Zurich)大学での研修を行って参りました。

1日目は、時差(スイスと日本の時差は約8時間で日本と朝と夜が逆転しております)を慣らすためにチューリッヒ近郊の観光を行いました。

    


2日目からは、研修本番です。セレックセラミックブロックを製作しております「VITA社」(日本でいえばセラミック業界のノリタケでしょうか)での研修です。

   

ここでは、最新のセラミックブロックの特性(より自然な色が出せるようになりました)とラピッド・レイヤーテクニック(ブリッジを強固なジルコニアのフレームとセラミックのかぶせものを重ねてつくる方法)という最新のセラミックブリッジの方法を現地から直接学んで参りました。

   

そして、インプラント技工、セラミック技工を中心に親子3代にわたって行っておりますマイスター技工士ニコラのラボ(歯科技工所)の見学を行いました。

  

彼らのラボは素晴らしく、設備も最新のものであり、その技術も志も目を見張るものがありました。

そして、最も美しいセレック修復を実践するといわれ、この分野で非常に高い評価を得ておられるDr Alessadro Devigus(デビガス)先生の実際の臨床を実際に先生の歯科医院で学び研修させていただける運びとなりました。先生は審美歯科領域で大変著名な方であり、SJCD30周年記念大会招待演者でもあります。
その先生のセレック修復治療を生で間近で見ることができたということは、今後の私の治療に大きな自信を与えてくれました。

   

3日目は、このセレックシステムを開発したチューリッヒ大学での講義と実習です。

      

この方(左下写真)は、チューリヒ大学保存科のメール教授です。セレックシステムを開発したメール教授の意志を受け継ぐとともにこれからのデジタルデンタルトリートメントの可能性をになう先駆者でもあります。   

   

ここでも、講義と大学の診療室にてセレックシステムを用いたF.G.Pテクニック(歯だけでなく歯の噛み合わせや歯の動きの軌跡までもデジタル化し、歯の形に再現してゆく方法)を学びました。これは、まだ日本の先生方も知らない最新の技術であると思います。

  

 メール教授は、「 印象不要、咬合採得不要、石膏不要、技工不要 技工物の納品不要 極端の時間短縮、おまけに医療廃棄物も出ないので環境にも優しいこの治療の持つ可能性は無限大であろう。セレック治療は近い将来、保存修復治療の主流になり、圧倒的に術後の経過が良いことからも、これからは様々なバリエーションに合わせてシステム運用できるように技術や設備の進化を続けてゆかなければならない。」とお話しされておりました。

実際にメール教授は、歯の形をセレックによるCAD(デジタル撮影・設計)によって、人間の顎の動きをモーションキャプチャーによってすべてをデジタルで表現し、より正確に確実に歯科治療に活かしてゆくことを研究中とのことです。
この話には、私も鳥肌が立ちました。日本では、なかなか聞けない話です。

   

最後に、わたしは今回スイスでの研修、人々との出会いを通じて、実際に肌で感じることによって、ワールドスタンダードな歯科医療は進化しており、その流れに遅れないように勉強し続ける大切さをあらためて実感しました。

そして、この世界的に評価されている最新の歯科医療、セレックシステムによる歯のセラミック修復をこれからもみなさまのお口の健康のためにも提供して参りたいと思います。

最後に、今回のスイス海外研修に賛同・協力して頂きました理事長、スタッフ、モリタの担当の方、そして家族と両親に心から感謝いたします 。

 

歯科医療におけるレベルアップ!とは? (・_・?)

 最近は、歯科医療に従事する傍ら、様々なところでハローアルソンフィリピン歯科ボランティアの活動の報告会をすることが多くなり、皆さんの励ましや支援の言葉をいただき、いろいろと考えることがあります。

   

 歯科医療のレベルアップには、2通りの考え方があるのだと思います。第一は、インプラントや歯の漂白など最新の医療技術を駆使して医療を行う・・・すなわち、歯科医療の頂点をさらに高めることです。



 そして第二は、かかりつけ歯科医として、同じ患者を継続的に診てゆくこと。
 そのなかで最新歯科医療の技術や修復物の予後の把握も可能となります。
 これは、歯科医療のボトムアップ、すなわち底辺を高めることにもつながってゆくのだと思います。

 歯ブラシ1本も買えず、歯の予防をすることを知らない、歯の治療は歯を抜くことだと思っているフィリピンの子供たちに「歯は予防することができるのだよ」ということをこのボランティアを通じて伝えることができる。そしてその状況を私の報告会で同じような年齢の日本の子供たちが聞き、慈しみの心と、自分たちがいかに恵まれているかということを知る、このことも、歯科を通じての地域医療のボトムアップにつながってゆくのではないかと思います。

   

 これからも皆様のボランティアへのご協力をよろしくお願いいたします。