歯とダイエットの関係シリーズ~その1~

体に脂肪がたまるのは、歯と歯ぐきの不調も原因?

歯周病や虫歯などで歯や歯ぐきが健康ではなくなると、
無意識のうちに「よく噛まずに早食い」をしたり、
「やわらかい食べ物」を選んだりしがちです。

食事の際に噛む回数が少ないと、実は体に「脂肪」がたまりやすくなります。

その原因の1つめは、消費エネルギーが減ってしまうことです。
近年の研究では、よく噛むことで食後のエネルギー消費が多くなり、
太りにくくなることがわかっています。

唾液も多く分泌されるので、胃や腸といった消化器官の負担も減り一石二鳥です。

2つめは、噛む回数が少ない早食いは、満腹感を感じるまでに食べ過ぎてしまううえに、
血糖値を急上昇させるため、インスリンが大量に分泌され、
脂肪がたまりすくなるということです。


ですから、ひとくち20回は噛むことを意識しましょう。

歯や歯ぐきの不調は、痛みを感じたり、歯が抜けたりするまで
気にしない人が多いようですが、その無関心はとても危険です!

「内臓脂肪」を落とすためには「口の中の健康」はとても重要です。
意識を高めてゆきましょう

歯科医院での口腔ケアがコロナウイルス感染予防に役立ちます!

歯科医院での口腔ケアがコロナウイルス感染予防に役立ちます!
こんな時だからこそ、ピンチをチャンスに。
歯医者さんで、お口の細菌を減らしてコロナ予防をしましょう!

新型コロナウイルスが、いまだに猛威を振るっております。

ウイルス感染が心配で、歯科医院に行くのをためらっている方もいらっしゃることでしょう。
でも、口腔ケアがウイルス感染を防ぐ効果があることをご存知でしょうか?

インフルエンザ感染が口腔ケアの徹底によって防げることは研究の結果明らかになっています。
新型コロナウイルスについても、口腔ケアで予防、重症化予防への効果があると報告されてきています。

つまり、ウイルス感染が懸念されるこのような時だからこそ、口腔ケアが大事になってきます。

口腔ケアがウイルス感染症に効果的な3つの理由をお話しいたします。

①ウイルスの感染を助ける口腔内細菌を減らします!


ウイルスの感染というのは、主に鼻と口から起こります。
ただし、ウイルスが入ってきたからと言ってすぐに感染するわけではありません。

感染が起こるかどうかは、ウイルスが体内の粘膜細胞の中に入り込むかどうかによって決まります。

実は、お口の細菌がウイルスを粘膜細胞の中に入り込むのを助けるタンパク分解酵素(プロテアーゼ)を出すことがわかっています。
特に、歯周病菌が強力なタンパク分解酵素を持っていることがわかっており、歯周病菌のコントロールがウイルス感染症予防にも重要だと言われています。


②口腔ケアが腸内細菌のバランスを整え、免疫力を向上させます!


ウイルス感染を防ぐためには、体の免疫力を低下させないことも大事です。
腸内細菌のバランスを整えることで免疫力が高まることは知られていますが、お口の細菌が食道→胃→腸へと移動し、腸内細菌を乱して体の免疫力を下げてしまう可能性があると言われています。

そのため、お口を不潔にしている方や、歯周病にかかっている方は、食事のたびにお口の細菌が腸内へ運ばれ、免疫力を下げてしまう恐れがあります。

口腔ケアをしっかりと行っておけば、腸内細菌のバランスがより良くなり、免疫力向上が期待できます。


③口腔ケアでウイルス性肺炎の重篤化を防ぐことができます!

高齢になるにつれ、食べ物や唾液が誤って気道に入ってしまう「誤嚥」が起こりがちになります。
この時、お口の中が不潔な状態だと、細菌が気管や肺に入り込み「誤嚥性肺炎」を起こしやすくなります。


誤嚥性肺炎を起こしている状態のところに新型コロナウイルスによる肺炎が起こると、肺炎が重篤化する恐れがあります。
口腔ケアをしっかりと行い、細菌による誤嚥性肺炎を起こさないようにしておくことで、新型コロナウイルスによる肺炎の重症化を防ぐことができます。

今後、新型コロナウイルスに関する研究が進むにつれ、インフルエンザ同様、感染の予防には口腔衛生管理が重要であることがはっきりしてくることと思います。


新型コロナウイルス感染予防対策としては、手洗い・うがいに加えて、毎日の丁寧な歯磨き、そして、定期的な歯科医院での専門的なクリーニングなどのケアが大事なことをぜひ覚えておいて下さい

 

歯みがきと口腔ケアでインフルエンザやコロナウイルスの感染を予防しましょう!

歯みがきや口腔ケアをおろそかにしていると、むし歯や歯周病の原因となる細菌が増殖してプラーク(歯垢)となることはよく知られています。

このプラークには、肺炎などの発症や重症化にかかわる肺炎球菌やインフルエンザ菌のほか、重篤な感染症の原因となる黄色ブドウ球菌、緑膿菌などの細菌も含まれているとみられます。

これらの細菌は「プロテアーゼ」と呼ばれるタンパク質を分解する酵素を出し、インフルエンザウイルスが気道の粘膜から細胞に侵入しやすくする特性をもっています。

つまり、お口の中が不潔で細菌が多くなると、細菌がインフルエンザやコロナウィルスの通り道を作ってしまって、ウィルスの侵入を容易にしてしまうと言うことです。

適切なケアでインフルエンザの発症率が10分の1に!

実際、歯科衛生士による口腔ケアを受けた人のインフルエンザの発症率が、本人や介護者だけから口腔ケアを受けた人の10分の1になったとの報告があります。

歯科衛生士による口腔ケアを実施したグループでは、ご自分で口腔ケアをしたグループに比べ口腔内の細菌数が減り、プロテアーゼのはたらきが低下していることがわかりました。

さらに、インフルエンザを発症した人は、ご自分で口腔ケアをしていたグループでは9人であったのに対し、歯科衛生士による口腔ケアを実施したグループでは1人でした。

日ごろから適切な歯みがきや口腔ケアに努めていると、インフルエンザの発症率を10分の1に減らすことができる可能性が示された意義はとても大きいといえるでしょう。

インフルエンザ予防には、もちろんインフルエンザワクチンの接種、手洗い、うがいが大切ですが、適切な歯みがきや口腔ケアが意外なほど役立つことを知っておいていただきたいと思います。

備えあって憂いなし、かかりつけの歯医者さんで適切な歯みがきや口腔ケアの指導を受け、日ごろからお口の中を清潔に保つこともインフルエンザ、ひいては、コロナウイルス対策の1つに加えていただければ幸いです。

1日3回の歯みがきで、心筋梗塞のリスクを下げましょう!

みなさん、お久しぶりの「歯のお役立ち情報」です

今までの研究で、お口の中が汚れていると歯ぐきの血管から細菌が体の中に入り込み、体の所々で炎症を起こすことが分かってきています。そして、そのことによる心臓の炎症では、心不全のリスクを上昇させることも分かってきています。

韓国における2019年12月に発表された16万人を対象とする研究調査では、1日3回以上の歯みがきで心不全のリスクが10%以下に抑えられることが分かりました。

同研究では、背景機序についての検討は行っていませんが、想定されるひとつの機序のひとつとして、頻繁な歯みがきが歯周ポケットに隠れている細菌のバイオフィルムを減少させ、細菌の血管内への侵入を予防したことが挙げられると考えています。

たかが歯みがき、されど歯みがき。

みなさんも、お家での1日3回の歯みがきと、歯みがきではとれない「歯石」は、歯医者さんの定期的メンテナンスで歯科衛生士さんにしっかりと除去してもらいましょう!

「歯を治すから守るへ」そして、歯を守ることによって、全身も病気から守ってゆきましょう

 

患者さんに「予防歯科」を理解してもらうために私が思うこと

羽尾歯科医院 春日山の理念は、「歯をなおすからまもるへ」と「自分の家族にしてあげたい予防、治療を患者さんに提供する」です。

これは、私が歯学部の学生時代に、予防歯科中心のアメリカの歯科医院を見てそれを実際に自分の肌で感じたこと。

そして開業後に、フィリピンの歯科医療ボランティアに参加して、フィリピンでは貧困故に命を救うために歯を抜かざる負えない分、医療環境に恵まれている日本では歯を残す努力をしよう、予防歯科をしようと心に決めました。

その時に見学先のあるアメリカ人の歯科医師がこう言いました。

「なあ、君ら日本人は不思議な民族だよね。 高いお金を払ってわざわざ人間ドックで病気を探しに行ったり、病気になった後のことにははてしなくお金をつぎ込むのに、病気にならないようにするためにはほとんどお金を使わないのだからね。」

この歯科医師の言葉は、私の理念のひとつ「予防は、最高で最新の治療である。」というにつながるような気がします。

私たち歯科医師が主に扱う病気、「むし歯」と「歯周病」は、原因が「感染症で生活習慣病である」と分かっています。

「原因」が分かれば必ず「予防」ができます。

ぜひ、羽尾歯科医院 春日山で自分のお口の中の「リスク判定」をして、その原因を突き止めて予防歯科を始めてみませんか?

予防をすれば、あなたの大切な歯の寿命を確実に延ばすことができます!

そして、その健康な白い歯はきっとあなたに健康な人生を提供してくれます