口腔ケアの重要性とは?

 最近のNHKなどの番組でも、高齢者に対しての口腔ケアの効果、重要性が取り上げられています。
私も、歯科医師としてみなさんに口腔ケアの重要性につきましてお伝えしたいと思います。

【口腔ケア・歯の治療を行うメリット】

・口腔ケア・・・肺炎、インフルエンザの予防になります。また、飲み込みのための運動にもなりますので、口から、ものをおいしく食べるリハビリにもなります。


・虫歯の治療・・・虫歯を放置しますと、痛みのためにご飯が食べにくくなったり、放置した虫歯がとがり、舌を痛めたりしておいしく食事がとれず、ストレスになります。


・入れ歯の修理・新製・・・入れ歯を入れてかめることにより、認知症の予防になります。また、話しやすくなり、顔の表情もハッキリするので生活の質も向上します。また、上の入れ歯を入れるだけでも、食べ物を飲み込み
やすくなり、むせや肺炎の予防につながります。
 
 

そして、最近の研究では、以下のようなことが分かってきています!
・歯がある人は、ぼけにくい!
・よくかめる人は、元気で長生き!
・口の中が汚れていると病気になりやすい
・入れ歯を入れている人は、若々しく、病気になりにくい

「口腔ケア」が「自分の老年期の口腔ケア」にもつながってゆくと言うことを知っていただきたい。
さらに、明日は、「我が身」になるかもしれません。
そうならないための事実を知って欲しいのです!


 

みなさんのおかげで今年のボランティア活動も無事に終了いたしました。m(__)m

 

この度、2月7日~10日の4日間、フィリピン共和国マニラ市近郊スラムにおいて「2015年度 ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア」が無事終了いたしましたことをご報告させていただきます。
これも皆様の日頃からの温かいご支援とご協力のお陰です。心より御礼申しあげます。

今年は全国から93名の参加者を賜り、物資配布総数 1,100人、患者総数 946人 となりました。

   

今回、私たちが訪れた地域は以前「スモーキー・マウンテン」と呼ばれる「ゴミの埋立地」があったエリアです。
ここは東洋最大級の貧困地区と言われ、マニラ市内から毎日数千トンのゴミが運ばれていました。ゴミの焼却システムのないフィリピンでは一応の分別はするものの、そのほとんどは一緒に捨てられてしまいます。
そしてゴミの中からお金に換金できるものを拾い、生活をしている人たちを「スカベンジャー」と呼び、このエリアはフィリピン国内でも最も貧しい地区となっております。

鼻を刺すような異臭、目を覆うような貧困の現状、私たち日本人には到底理解することができない悲惨な現状がありました。

今日食べることにも困窮し、貧困のため教育も医療も受けることができない子供たちのお口の中はボロボロです。
生えたばかりの大人の歯は黒く大きな虫歯となり、長年放置されていた感染部位は、真っ赤に晴れ上がっています。
しかし、この地区ではたった1本の歯ブラシがお米1.5キロよりも高価な為、ほとんどの住民たちが歯を磨くことができません。そして、痛みを発症すればこめかみをさすりながらただ、神様に痛みが引くようにと、祈るだけです。
そんな彼らのもとに今回も皆さんがご協力してくださった沢山の歯ブラシ、タオル、石鹸が届きました。

物資を受け取った時の子供たちの顔は本当に嬉しそうです。

そして私たちもまた皆さんのお陰で沢山の感動を頂きました。皆さんがご協力してくださった歯ブラシは正に彼らの命と笑顔を救い、日本とフィリピンの平和と愛の架け橋となったのです。
本当にありがとうございました。

私達、一人、一人の力は小さくても、全てを変えることは出来なくても、みんなが一つなれれば、きっと「何か」は変わるはずです。どうか今後とも末永いご協力の程、宜しくお願い申し上げます。

ハローアルソン・フィリピン医療を支える会

新潟支部 支部長 羽尾 博嗣

2015年、今年もハローアルソン医療ボランティアにフィリピンへと旅発ちます!

今年もハローアルソン医療ボランティアの時期となりました!
今年の活動期間は、2月7~11日の4日間、高校生43名と共に現地フィリピンスラムの街で活動を行ってまいります。
皆様からの温かいご支援、歯ブラシなどの支援物資、募金を皆様の笑顔と共にフィリピンの子供達へと届けてまいります。

ところでこの会も、皆様のおかげで10周年を迎えます。そして私は今回で4回目の参加となります。

今までの、医療活動は、主に抜歯や小さい虫歯をプラスチックで詰めるものでしたが、最近は、耳鼻科の先生が参加してくださり、耳の病気の検査、治療を行ったり(フィリピンのスラムの子供は耳の中に小さな虫やプラスチックが入っていて鼓膜が破れている子が多いそうです。ただ、検査することができないので自分の耳の聞こえが良いのか悪いのかも知らずに放置したままになっているそうです)、即日の入れ歯の製作を行うまでに医療活動が発展・充実してきました。

    

この会の会長である林先生達は、東北大震災の後も定期的に女川町におもむきボランティアで入れ歯の修理、調整を行っております。
この素晴らしい林先生の入れ歯の治療技術を見ることができ、また高度な製作技術を持つ歯科技工士さん達と一緒に治療できることも私にとっては、ボランティア活動であると共に、とても重要な「研修」となります。実際に、震災の後も入れ歯をなくしてしまった方々が、歯医者さんがいないためにかなり食べることに不自由されたそうです。

   

そして毎年恒例のハロアルTシャツのイラストです。
歯科医療活動中は、フィリピンの子供達は、治療の恐怖に耐えながら、目線はドクターの胸のあたりに来ます。そのときに、少しでも子供達の恐怖心を和らげるために工夫を凝らしたイラストを描いてもらっています。(迷路だったり、ヒーロー系だったり)

   

今年は、10周年を記念した絵柄です。
おもしろいのは、表と裏でメッセージに意味を持たせています。
そうです、今必要とされているのは『「あなた(you)」の人を思いやるあたたかい心』です。

    

これからも、この活動へのご協力、ご参加のほどよろしくお願いします。
また、この活動の話を聞いてみたいという小・中学校、高校、企業がありましたら私が喜んで講演に行きますので、当歯科医院までご連絡ください。

☆私の夢がとうとう「形」になりました☆

新年あけましておめでとうございます。
本年度もよろしくお願いいたします。

ところで、羽尾歯科医院 春日山に通院されている患者さんは、お気づきのことと思いますが、12月から羽尾歯科医院 春日山の受付が広くなり、さらに歯のクリーニング、メンテナンス専用のスペースができました。(熱帯魚の水槽もありますよ~見に来てね!)

今年で10年目を迎える羽尾歯科医院 春日山ですが、この度、私の思い描く「夢」が、満を持して「形」にすることができました。
これも、患者さん、スタッフをはじめ多くの皆様のおかげと心より感謝しております。

では、私のどのような「夢」を「形」にしたかと言いますと、私が海外で実際にこの目で見てきた最新・最良の歯科医院のスタイルを2つの私の「夢」として「形」にしました。

     
                                                                                                                            

「定期予防管理型」の歯科医院

まずは、3年前に審美歯科診療の研修で訪れたスイスの歯科予防スタイルです。
スイスやスウェーデンなど北欧の高福祉国家では昔から「歯を治すのではなく、まもる。」、「痛くなってから歯医者に行くのではなく、痛くならないように歯医者に通う」と言う考え方が、こどもの頃から定着しております。
そして、実際に北欧では実に9割の人が定期的に歯の検診・クリーニングを受けており、その結果70歳で平均20本の歯を残しております。日本では、歯の定期検診受診率は2%、70歳で8本しか口の中に歯が残っていないこのことが歯の定期検診の持つ予防効果の裏付けを表していると思います。

つまり、定期的に来院し歯医者さんと衛生士さんに虫歯、歯周病にならないようにチェック、管理してもらう「定期予防管理型」の歯科医院を実際に私はセレック治療の大家である風間龍之介先生と共にこの目で見てまいりました。
そして、その効果を現地で肌で実感し、この日本の上越でも実践してみたいと思いました。

        

「ストレスフリー」の歯科医院
もう一つは、私が歯科大学5年生の時にホームステイ先で見たアメリカの歯科医院です。
アメリカでは国民皆保険がなく、小さい虫歯を詰めるだけでもセラミックを入れて15万円以上という高額な自費治療が通常です。
ですから、アメリカでは「虫歯になってから、お金が多くかからないように、予防することによって歯科医療費を安く抑える」という考え方になっています。
よって、アメリカの一般の歯科医院の現場では、日本のように削る治療を中心に行っているのではなく、予防のプロの歯科衛生士によるクリーニング、歯医者による歯の定期検診があたりまえです。虫歯も早く見つけることができれば、あまり削らずに安く済むことができるからです。

   

ですから、患者さんは削られに来るのではなく、歯のクリーニングとお口の病気のチェックに来るだけですので、歯科医院では患者さんも歯科医師、衛生士もお互いにストレスを抱えることがありません。
逆に、歯者さんも歯がきれいになり、クリーニングによりさっぱりするのでストレス解消になります。
私が,
学生時代に見たアメリカの歯科医院では、診療室が、ドクター、スタッフ、患者さんの笑顔であふれていました。怖い、痛い、行きたくないというストレスからは完全に解放されたストレスフリーの空間がそこにはありました。

以上の海外において、すでに効果を上げておりますこの2つの「予防歯科スタイル」をこの私の故郷の
上越で実現し、みなさんの歯をまもることが私のこれからの歯科医師としての「夢」です。

    

歯を「なおす」から「まもる」へ。
羽尾歯科医院 春日山が、新しい「提案」を始めます!
ぜひ、みなさんと共にこの「夢」を実現することができれば幸いです。

ここ最近の医療ドラマを見るにつけての感想をひとつ

ここ最近の医療ドラマ、医療マンガを見ていると単に病気を診るだけではなく、生活背景などもふまえ、患者さんを総合的かつ継続的に診て、必要なときには必要な専門医を紹介するというコンセプトが見え隠れしているように感じます。
人口の高齢化が進み、体のあちらこちらに不調をきたして複数の医療機関を受診する患者さんは増えており、それらの患者さんの全体像を把握し、医療・介護問題全般についてアドバイスできる医師・歯科医師となると、まだその数は少ないのが現実です。
身体を細分化して診るタイプの専門医(スペシャリスト)と、患者さんを全人的に診る総合医(ジェネラリスト)、両方のタイプの医師が必要ではないかと思います。「医師・歯科医師分業の仕組み作り」が待たれるところです。



現代医療は、「神の手で命を救う名医が求められる時代」から「かかりつけ医こそが国民の生活を守る医療の中心」という基軸にシフトしてきているのではないかと感じております。
「まず、主訴から」も大切ですが、「今何か困っていることはありませんか?」と聴くことから始める医療も今必要とされておるのではないでしょうか。

ところで先日、フィリピン歯科医療ボランティアのハロアル報告会(長野県:御代田市)にスタッフとともに参加してきました。歯科医師でプロのミュージシャンの今西先生のライブあり、私の落語の寄席のような発表あり、とても楽しい報告会となりました。
来年一緒に参加予定の大橋 一摩君(北城高校2年生)と一緒に参加できたことを誇りに思います。