ここ最近の医療ドラマを見るにつけての感想をひとつ

ここ最近の医療ドラマ、医療マンガを見ていると単に病気を診るだけではなく、生活背景などもふまえ、患者さんを総合的かつ継続的に診て、必要なときには必要な専門医を紹介するというコンセプトが見え隠れしているように感じます。
人口の高齢化が進み、体のあちらこちらに不調をきたして複数の医療機関を受診する患者さんは増えており、それらの患者さんの全体像を把握し、医療・介護問題全般についてアドバイスできる医師・歯科医師となると、まだその数は少ないのが現実です。
身体を細分化して診るタイプの専門医(スペシャリスト)と、患者さんを全人的に診る総合医(ジェネラリスト)、両方のタイプの医師が必要ではないかと思います。「医師・歯科医師分業の仕組み作り」が待たれるところです。



現代医療は、「神の手で命を救う名医が求められる時代」から「かかりつけ医こそが国民の生活を守る医療の中心」という基軸にシフトしてきているのではないかと感じております。
「まず、主訴から」も大切ですが、「今何か困っていることはありませんか?」と聴くことから始める医療も今必要とされておるのではないでしょうか。

ところで先日、フィリピン歯科医療ボランティアのハロアル報告会(長野県:御代田市)にスタッフとともに参加してきました。歯科医師でプロのミュージシャンの今西先生のライブあり、私の落語の寄席のような発表あり、とても楽しい報告会となりました。
来年一緒に参加予定の大橋 一摩君(北城高校2年生)と一緒に参加できたことを誇りに思います。

 

健康づくりの拠点は歯科医院

虫歯と歯周病の発症は食生活習慣をはじめとする各種生活習慣の乱れに関係しますので、それらは生活習慣病の前兆の表れとなります。
歯科医師、歯科衛生士は、虫歯と歯周病の治療に止まらず、それらの発症の背景にある生活習慣の乱れを改善することができます。
超高齢化社会では、栄養・運動・休養の知識だけでは健康づくりはできません。それぞれに医療のサポートが必要となってきます。
栄養においては、「かむ」機能を支える歯科、運動においては関節運動を支える整形外科、休養・こころの健康においては心療内科や精神科が医療面で健康づくりの支援を行っております。



超高齢化社会では健康づくり運動と医療支援体制の確保は表裏一体なのです。
かつて二宮尊徳は、「道徳を忘れた経済は、罪悪である。経済を忘れた道徳は、寝言である」という言葉を残しました。
これにならえば、「歯科医療を忘れた健康づくりや保健指導は寝言にすぎない」のだと感じます。

3度目のハロアルを終えて思うこと

3度目のハロアルを終えて思うこと

羽尾歯科医院 春日山 院長 羽尾 博嗣

みなさまのおかげで今年も無事に3回目のハローアルソンフィリピン歯科医療ボランティア活動に参加して来ることができました。「3回目の正直」ではありませんが、
3回目の参加で私が心に感じたことを3つみなさまにお伝えしたいと思います。

●両親、スタッフから頂いたお守り

今年は、歯科医院のスタッフ達が一針一針糸を紡いで「お守り袋」を作ってくれました。私には一生の大切な宝物になりました。その中には厄除けとしてのパワーストーン(天眼石)が入っておりました。両親からもらった「無事カエル」のお守りも入れて持ってゆきました。

  

そのお守りのおかげで、行きも20年振りに降った成田空港の大雪も避けることができ、帰りも雪の影響で飛行機が2時間遅れる中、3分前に最終のバスに乗ることができ、無事上越に帰ってくることができました。

この会の会長の林先生が「ボランティアにはボランティアの神様が皆さんについているから、失敗などはない。それは、プラスへのチャンスであり経験でありプロセスである。」と話しておられましたが、今回のこの幸運もまさにそのことを表現しているのだと思います。

●高校生との歯科医療活動

このボランティアの大きな特徴の一つが「高校生と協力して行う歯科医療」です。ただ、今まではお互いが緊張していたり照れがあったりなかなかコミニケーションをとることができませんでした。

    

しかし、今回は高校生ミーティングの内容が変わり、高校生一人一人が歯科医療活動について一言コメントをしてくれました。その中で私に対するコメントもあり、「歯医者さんは怖いイメージがあったが羽尾先生は、医療活動中に「ニーハオ」とか「ドントウォーリー・ビーハッピー」とか、面白いことを言って怖がるフィリピンの患者さんを笑わせていたので、歯医者さんのイメージが変わった。」と褒めてくれ、それを聞いた私も3回目の参加にしてこの活動を通して自分に自信が持てました。ありがとうございます。

 

●フィリピンから帰国して、日本のマスコミを見て感じた思い

日本に帰国してから見たテレビは、ソチオリンピックの日本選手の活躍ぶりをたたえる放送が殆どでした。しかし、その下のテロップには「無職の男がアパートに放火」の文字の内容。新聞には、東京都知事決定、しかし、その下には週刊誌のゴシップ記事の広告・・・ゴシップやマイナスをあおる記事は人間は防御本能的にどうしても見てしまうもの。ただ、そのマイナスイメージは脳に記憶として残り、その後の言動や考え方にマイナスに影響してしまうと思います。

   

少なくともフィリピン歯科医療ボランティアを行っていた4日間は、私にはそんなイメージは全くなく、恵まれないフィリピンの人たちのために「ピュア」な気持ちでプラス思考でみんなと一緒に言動できていたのだと思います。そう感じる中で私の頭の中には、『「真の豊かさ」とは世界中が「知っている」のに世界中が「感じない」豊かさなのではなかろうか』という思いが浮かんできました。

 

最後に、私は毎年、ハロアルの活動写真を使いプロモーションビデオ(PV)を作ることを楽しみとしております。その動画に使用する今年のBGMの歌詞を参加してくれた高校生に贈ります。完成作品を見てみたい人は、私に一声かけてください。

 

「糸」 作詞・作曲:中島みゆき 

なぜ めぐり逢うのかを  
私たちは なにも知らない
 

いつ めぐり逢うのかを
私たちは なにも知らない  

どこにいたの
生きてきたの
遠い空の下
ふたつの物語

縦の糸はあなた
横の糸は私  
織りなす布は いつか誰かを  
暖めうるかもしれない

  

なぜ生きてゆくのかを  
迷った日の跡のささくれ  

夢追いかけ走って  
ころんだ日の跡のささくれ

こんな糸が、なんになるの
心許なくてふるえてた風の中

縦の糸はあなた
横の糸は私  
織りなす布は
いつか誰かの  
傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた
横の糸は私
逢うべき糸に
出逢えることを
人は「仕合わせ」と呼びます

  

また、来年も一緒にピュアな気持ちで熱く活動しましょうd(^-^)ネ!(はおっこマジックショー付き)

歯ブラシいっぱい頂きましたm(__)m

本日、フィリピン歯科医療ボランティアに向けての支援物資用歯ブラシを3つの団体の方々から頂きました。本当にありがとうございます。

みどりとくらしの学校:田中様(いつも子供がイベントでお世話になっております)

上越信用金庫 南支店:院長友人の大橋淳様(段ボール1箱頂きました w(゜o゜)wワオ!!)
国際ソロプチミスト 上越:会長 市川 弓弦様(いつもボランティア活動にご理解頂きありがとうございます。)

その他、多くの方々から多くの募金(支援物資としてのお米と参加する高校生へのカンパとなります)とフィリピンの子供たちへの支援物資を届けて頂き本当にありがとうございます。
みなさまの気持ちは、必ずや届けてまいります。

そして、羽尾歯科医院 春日山のスタッフからは、パワーストーンの入ったお守り袋を頂きました。
みんな少しずつ、縫い合わせてくれたそうです。私はいつもこの時期不安に駆られてしまう精神状態だったので本当に嬉しく、気持ちが強くなります。私の一生の宝物になりそうです。毎年持ってゆきたいと思います。
そのスタッフからのひと針ひと針にも感謝をしつつ、頑張りたいと思います。


さて、いよいよ明日のフライトとなりました。

フィリピン歯科医療ボランティアの出発の日はいつもふるさと上越は、厚手の純白のドレスをまとって見送ってくれます。→ようするに、大雪が降るということです(笑)
今年のボランティアTシャツのデザインを紹介する写真も雪の中での撮影となりました。(Tシャツの白い物はフケではありません(笑)雪です!)

      

腕に描かれた模様はM●cライクな感じです
このTシャツと熱い思いをまとい、ボランティア活動に励んでまいります。

では、-3度から30度の国へ行ってまいります。

今年も行ってまいります。

羽尾歯科医院 春日山 院長の羽尾です。
今年も2月7日から4日間、3回目のハローアルソンフィリピン歯科医療ボランティアに行ってまいります。
今年も無事にボランティアにいけることにみなさまのおかげと感謝し、みなさまから預かった歯ブラシ、タオルをしっかりと届けてまいりたいと思います。
出発に当たり、私と同い年で今回のボランティア活動の団長であります栃木県開業の関口 敬人先生(今年で10回目の参加!)の手記から私の心を熱くした文章を抜粋してご紹介させて頂きます。



~人間は誰しもが、「自分は幸せになりたい」 「豊かな暮らしをしたい」そう願います。そして、自分を中心に親や子供、恋人や友人知人、身近な人になればなるほどその思いが強くなり、逆に遠くになればなるほど水面に浮かぶ波紋のようにその思いは薄れてゆきます。
それは当たり前の感情でそれだけを悪と決めつけることはできません。私自身も心の中に同じような感情を抱いて生きています。

しかし、十年前、あのスラムの地で子供たちはわずか五歳にして学校にも通えず、ゴミの山の中からお金に換金できる物を拾いながら家計を助け、活動中、私たちが食べ残し、捨てられたお昼の弁当に我先と群がり、歯を抜いた後にもらえるたった数錠の薬を、自宅に横たわる具合の悪い母親のために自分の歯を全て抜いても良いからもっと薬が欲しいと懇願する子供たちと出会いました。

私は泣きました。自分の子供と同じくらいの幼子達のあまりにも過酷な姿。

涙で視界がぼやけるのを何とか拭いながら一人一人治療をします。そして「もう大丈夫だよ」と、子供とは思えぬほどの泥と垢にまみれ、ごつごつとした硬い小さな手と握手を交わします。
それでも「先生ありがとう。」 「私、大きくなったらデンティスト(歯医者)になるわ、と皆さんから頂いた歯ブラシを、嬉しそうに持ち帰る小さな女の子笑顔が忘れられません。
それは鉛筆もノートもなく、教育さえも受けられない子供たちにできることは、目の前にいる私たちに憧れることしかできない本当に儚い夢でしかありません。



私はまた泣きました。泣けてくるのです。


そして、何もない、生きることこそが夢と語る彼等と出会い、流した涙が、私の心に積み重ねられた「何か」を洗い流してくれました。



「人」という時は二人の人が支え合うように見えますが、見方を変えると大きい人を小さい人が下から支えるようにも見えます。私は歯科医師として、一人の人間として、この医院を、この活動をそんな小さな人になることを目指そうと誓いました。

帰国後は数千枚の写真と資料をまとめ、皆さんに今年の活動を心からの感謝の気持ちを込めてスタッフ全員で壁新聞、報告集を作らせて頂きます。これからも末永いご協力を宜しくお願い申し上げます。~

このように全国から参加して頂ける素晴らしい歯科医師の先生方とボランティア精神にあふれた32名の高校生達と張り切って、そして笑顔でフィリピン歯科医療ボランティア活動に行ってきたいと思います。