フィリピン歯科ボランティア活動を終えて

 「生命力と活力を発電機(ダイナモ)にすること」

羽尾歯科医院春日山 羽尾 博嗣

 

私は今回初めてこのボランティア活動に参加させていただきました。

参加した理由の一つには、この活動を通し自分が生きてきた人生の中で初めて「自分を自分で褒めてあげることができる」ような気がしたからです。

 

  

 

私は今まで医療に携わるものとして恥ずかしながら、人の評価ばかりを気にしてきました。人との比較や数字ばかりを気にして生きてきました。

人を思いやる態度や技術を提供してきましたが、自分の利益の延長上にあった「思いやり」に過ぎなかったのかもしれません。

歯科医師という素晴らしい職業に就きながら日々「人間力」を落としていっていたのかもしれません。

 

   

 

そんな私は混沌とした毎日を過ごし、暗闇の中、先が見えない人生の恐怖に怖くなり色々な歯科セミナーなどに参加することで自分の目先だけを照らし、ごまかしの日々を送っておりました。


そんなときにある歯科衛生士雑誌で偶然にも見かけたこのボランティア活動の記事に私は、明るい未来へ続く一筋の光を見たような気がしました。

 

     

 

そして実際に参加することができたハローアルソンフィリピン医療を支える会の活動。

その子の人生で最初で最後かもしれない歯科医療がいきなりの抜歯。
恐怖に思わず手が出てしまいそうになる自分の右手を反対の左手で押さえながら、涙を流しながらも口を開け続けるフィリピンの子供たち・・・

日本の歯科医療現場では見ることができない光景が私の目の前には広がっておりました。

 

   

 

実際にこのボランティア活動に参加し、文章では書き表せないぐらいの衝撃と感動を受け、多くの方々からの笑顔をもらえたと思います。

 

  

 

ボランティア活動は一方的に与えるだけでは続かない、半分与え、半分受ける、私は歯科医療を提供し、みなさんからはいっぱいの笑顔と明日へのエネルギーをいただいたと思います。

 

  

 

来年は、今回一緒に参加した高校生ボランティアとフィリピンの子供たちの前でマジックショーを行う約束をし、再会を誓い合うこともできました。

 

 

 

ユーモアと笑顔は世界共通の最高のコミニケーションツールだと思います。

これからもこの活動の素晴らしさを周りの人たちへと伝え、この会を盛り上げてゆくお手伝いができれば幸いに思います。

 

この会の主催である林先生には、歯科医療、ボランティア活動、日本人の哲学・思想を通じ様々な「教え」をいただきました。深く感謝いたします。この活動終え、日本に帰国してから読んだ東洋思想に関する書籍の中からの一節を最後に紹介させていただきます。

 

 

【老子の言葉から】

 

大切なのは、自分に授かった

生命力と活力を発電機(ダイナモ)にすることだ。

自分に授かった生命力と活力で

自家発電することだ。

 

   

 

 

他に求めず、自家発電する活力は

家族を元気づけるよ

それが村全体に広がる

それが国全体に広がる

そのようにして

全世界がおさまってゆく

それが本当の道の在り方なんだよ。